全米販総会で、近畿ブロック協議会の会長である阪神米穀㈱(兵庫県西宮市)の田中隆社長(全米販副理事長)を議長に議事に入り、まず第1号議案「令和4事業年度事業報告書、財産目録、貸借対照表、損益計算書および剰余金処分案承認に関する件」を審議、質疑なく了承を得た。
このうち令和4年度(2022)事業報告・決算の議案説明のなかで、古庄堅治常務が強調した点は以下の通り。
△おこめ券や米等の現物支給を行う地方自治体が増えている。
△米をめぐる情勢では、「米取引の事前契約研究会」、現物市場の検討、物流の2024年問題が俎上に。
△組織活動では、「食料安全保障に関する建議」を農林水産大臣宛に提出、3度にわたり「コメ諸経費高騰にご理解のお願い」を関係業界団体に発出、農水省関係幹部と正副理事長が意見交換、「Rice Life Project」を実施、「KOME速報」の配信(昨年12月から日刊化)、業務担当者会議を8月と2月に東西2か所で実開催。
△共済事業では、契約額が前年度比▲2.2%の5,035億円。一昨年8月からスタートした企業火災共済が契約額109億円まで積み上がったものの、火災系共済全体で前年度実績を上回ることはできなかった。風水雪特約の契約額は前年度比+8.8%の169億円と、前年度実績を上回った。ただし共済金の支払は、少なかった令和3年度(2021)をさらに下回って少なく、306件・73百万円の支払実績となった。
△贈答券事業(おこめ券)では、年度後半になって自治体需要が増加し、販売枚数+81.2%の849万枚と大幅に伸長した。回収枚数も+27.9%の626万枚。
△一般商品事業では、石油製品の販売増加と食品価格の上昇により、+5.4%の60億10百万円となった。ただし年明けから暖冬により灯油販売が苦戦、販売数量は前年度実績を上回ったものの、計画は未達に終わっている。また食品価格が軒並み上昇した影響で消費者の買い控えがあり、販売数量が減少する結果となった。
△ネット通販事業では、「通販」と「消費拡大」を分離し、黒字化対策として送料の見直し、決済手数料の出品者負担を実施。通販事業のうち「お米、その他商品」については、災害用非常食にこだわった品揃えの成果もあり、お米の売上高は+123.3%の7,970万円と大幅に伸ばした。
△会館事業では、テナントが満室となり、収入が安定した。
△組織活性化の一環として、コロナ禍で開催を見合わせていた「創造力・イノベーション開発研修」を実開催できた。
△管理体制としては、昨年4月に「組織戦略室」を新設、「名古屋連絡所」を廃止した。
△期中、ワタヒョウ㈱(宮城)、東海食糧㈱(静岡)、鍋島物産㈱(福岡)、大分県主食卸協同組合の4組合員が脱退。
△決算では、主に、おこめ券の自治体需要の増加を要因に収入が大幅に増加。各種準備金を積み増すことが出来ている。