TSR(㈱東京商工リサーチ)によると、米穀販売業者である㈱とやま食販(富山県富山市、片山誠社長、資本金8,264万5千円)が10月22日までに事業を停止し、富山地裁から破産手続き開始決定を受けていたことが判明した。負債は約5億8,600万円。全米販(全国米穀販売事業共済協同組合)組合員だったが、すでに脱退している。
同社は昭和26年(1951)創業、平成13年(2001)現体制に法人改組した米穀販売業者。富山コシヒカリを中心に取り扱い、長年の業歴を背景に県内外の米穀卸小売店に販路を形成、オンラインショップを開設することで個人への販売にも取り組んでいた。昭和59年(1984)3月期には売上高およそ57億800万円を計上したが、米の消費量の減少や同業者との競合などから減収が続いた。
こうしたなか新型コロナウイルスの感染拡大による経済情勢の悪化で受注が落ち込み、令和6年(2024)3月期には売上高およそ2億6,000万円まで低下。さらに6期連続の最終赤字、令和6年(2024)3月期は約4,900万円の赤字で債務超過に転落。その後も業況は回復せず、資金運営も限界に達し、事業継続を断念したとみられる。