◇ パックご飯「原料米」主な仕入先、6社のうち4社が「卸売業者」

 米穀機構「パックご飯の生産・販売・購入状況」の続報。昨年、(一社)全国包装米飯協会(佐藤元会長=サトウ食品㈱社長)の会員企業を対象に、アンケート調査を実施。原料米の主な仕入先を訊いたところ、回答6社のうち4社が「卸売業者」を選んでいることが分かった(複数回答)。米穀機構は、「原料の形態(玄米仕入、精米仕入)の違いにかかわらず、安定的な原料確保を優先しつつも、資本や業務の提携先などの関連会社を利用して、仕入コストの低減を図っていると想定される」としている。

 また原料米の品質基準の有無を訊いたところ、6社いずれも「ある」と回答。原料米の水分、整粒歩合、粉状質粒などで独自の基準を設定しているほか、蛋白質やアミロースなどの成分分析を行っているケースもあったという。
 価格基準は、「ある」4社、「なし」1社、「無回答」1社で、「仕入価格は重要な要素の1つではあるものの、数量確保が最優先事項」との声もあったとしている。

【生産体制】
 工場保有状況は、1社が3工場を保有するものの、そのほかは1工場で生産している。各社とも「市場拡大のスピードに生産が間に合わない」とし、フル生産体制が続いているという。また工場では人手不足に直面。「フル生産体制でも人員不足から本来の生産能力に達していない」との声があがったという。3社は設備投資を計画しており、検討中の1社も含めると、4社が設備投資計画を進めている。

【アイテム数】
 生産アイテム数が多い事業者は100アイテムを超えるものの、少ない事業者では10アイテム未満のところも。「いわばフルラインナップの品揃えを提供する事業者」と、「特定の顧客層に特化した販売戦略をとる事業者」で、アイテム数に10倍以上の差があることが分かった。なお、生産アイテム数と原料米使用量には相関は「認められない」とし、「アイテム数は各社の販売戦略や生産体制によって異なる」と見ている。

【内容量】
 内容量別の生産割合は、「200g以上」が圧倒的に高かった。回答5社の内容量別の生産割合を各社の生産数量から推計すると、5社合計の生産数量の68%が「200g以上」、32%が「100~199g」の製品となる。

【白飯以外の製品の有無】
 「ある」4社、「なし」2社と、大半の事業者が白飯以外の製品も製造している。

【製造単価の価格レンジ】
 ほとんどの製品が100円~240円の範囲に収まる。

【OEM商品の生産有無】
 「ある」5社、「なし」1社と、近年は「量販店などからPB商品を作ってもらえないか、といったことも多い」という。OEM商品は、相手先ブランドとなるため、欠品できない事情もあり、生産が間に合わない状況では、OEM商品が負担になることも。「なし」と回答した事業者は、「他社ブランドを生産する余裕がない」と説明している。