◇ 紅麹事件続報、消費者庁ら公式見解「紅麹と米麹とは違うもの」

 小林製薬㈱(大阪府大阪市、小林章浩社長)による紅麹事件の続報。消費者庁・厚生労働省・農林水産省は4月10日、連名で「紅麹と米麹とは違うもの」との明確な政府見解を明らかにした。これにより少しでも風評被害の払拭が期待される。

 「現時点において、回収命令の対象は3製品のみであり、これら3製品と同じ小林製薬の紅麹原材料を使用しているその他の製品については、食品衛生法第6条第2号(製造販売の禁止)に該当しないと判断されています」とした上で、「小林製薬の紅麹を含む健康食品に関するQ&A」を掲げている。このうち風評被害や誤解の払拭が期待される項は以下の通り。

 Q1.回収対象となっている小林製薬の紅麹関連3製品と、ベニコウジ色素は違うものですか。
 A1.
小林製薬の紅麹原材料は、米に紅麹菌を加えて培養、加熱、粉砕等をして製品としたものです。一方で、他社が製造したベニコウジ色素は、紅麹菌の培養液から抽出して得られた色素を主成分としたもので、食品添加物として食品衛生法に基づく規格基準が定められており、その規格基準に適合したものが販売されています。このため、小林製薬が製造した紅麹原材料と他社が製造したベニコウジ色素は製法及び使用目的が異なるものです。

 Q2.麹(こうじ)と紅麹(べにこうじ)は違うものですか。
 A2.
醤油や味噌、日本酒など、日本の伝統的な発酵食品に使われる「麹」は、「紅麹」と名前が似ていますが、異なる種類の生物(カビ)を利用して作られたものであり、違うものです。麹は、穀類にアスペルギルス属(Aspergillus属)の菌(主に、Aspergillus oryzae、Aspergillus sojae、Aspergillus luchuensisなど)を増殖させたものであり、紅麹は、穀類にモナスクス属(Monascus属)の菌を増殖させたものです。