◇ 紅麹事件続報、波紋は機能性表示食品全般の一斉点検に及ぶ

 小林製薬㈱(大阪府大阪市、小林章浩社長)による紅麹事件の続報。死亡者数が5人に増え、自主回収(リコール)企業数は57社に増えた。また厚生労働省は小林製薬の販売先企業に自主点検を求め、消費者庁は全機能性表示食品の一斉点検を開始。農林水産省は食品関連事業者団体に対し回収協力を依頼した。政府は3月29日夕刻、「紅麹関連製品への対応に関する関係閣僚会合」を開く運びだ。

 〈小林製薬〉3月29日、新たに1人の死亡を報告。因果関係は調査中ながら、疑いのある死亡者は計5人となった。ただし当初106人と公表していた入院患者数は、重複が見つかったことから3月27日、「93人」に下方修正している。

 〈厚生労働省〉3月28日、①小林製薬が直接、紅麹原料を卸している企業52社と、②この52社から小林製薬の紅麹原料を入手している企業173社の社名を公表。自主点検とその結果報告を求めた。報告〆切りは、52社が3月29日、173社が4月5日。自主点検内容は以下の通り。
 △小林製薬の3製品に使用された紅麹と同じ小林製薬社製の原材料を用いて製造され、かつ、上記と同等量以上の紅麹を1日あたりに摂取する製品
 △過去3年間で医師からの当該製品による健康被害が1件以上報告された製品

 〈大阪市〉厚労省からの依頼通達(3月26日)を受け、小林製薬に対し、3月27日付でサプリ3商品の回収命令を下した。

 〈消費者庁〉自見英子消費者・食品安全担当相は3月26日の会見で、「機能性表示食品として届け出られている製品全て(約7,000件)を緊急点検する」と発言。これを受けて消費者庁の新井ゆたか長官は3月28日の会見で、全機能性表示食品の一斉点検をめぐり、「1,700事業者に質問状を発出した」と発表した。回答期限は4月12日。

 〈農林水産省〉3月28日、小林製薬が直接・間接的に卸した企業のさらにその先で、広く流通している可能性があることから、以下の154の食品関連事業者団体に対し、「紅麹関連食品に関する回収の協力要請」を通知した。⇒(一社)日本加工食品卸協会、(一社)日本外食品流通協会、全国給食事業協同組合連合会、(一社)日本給食品連合会、全国水産物商業協同組合連合会、全国青果物商業協同組合連合会、全国小売市場総連合会、全日食チェーン商業協同組合連合会、無添加食品販売協同組合、(一社)日本スーパーマーケット協会、オール日本スーパーマーケット協会、協同組合セルコチェーン、(一社)日本百貨店協会、(一社)日本ボランタリーチェーン協会、(一社)全国スーパーマーケット協会、日本チェーンストア協会、(一社)日本フランチャイズチェーン協会、(一社)日本ショッピングセンター協会、国民生活産業・消費者団体連合会、日本小売業協会、日本生活協同組合連合会、全国中央卸売市場協会、全国公設地方卸売市場協議会、全国第3セクター市場連絡協議会、全国中央卸売市場関連事業者団体連合会、(一社)全国中央市場青果卸売協会、(一社)全国青果卸売市場協会、全国青果卸売協同組合連合会、(一社)全国水産卸協会、全国魚卸売市場連合会、全国水産物卸組合連合会、(公社)日本食肉市場卸売協会、東京食肉市場卸商協同組合、(一社)日本花き卸売市場協会、(一社)全国花卸協会、油糧輸出入協議会、日本植物油協会、日本こめ油工業協同組合、全国油脂販売業者連合会、日本油料検定協会、日本油化学会、日本マーガリン工業会、全日本マーガリン協会、日本水産油脂協会、全国豆腐連合会、日本豆腐協会、全国納豆協同組合連合会、全国凍豆腐工業協同組合連合会、日本植物蛋白食品協会、日本豆乳協会、全国きな粉工業会、全国味噌工業協同組合連合会、中央味噌研究所、全国醤油工業協同組合連合会、日本醤油協会、全日本漬物協同組合連合会、日本いりぬか工業会、日本製餡協同組合連合会、全国胡麻加工組合、全日本菓子協会、全日本菓子工業協同組合連合会、全国菓子工業組合連合会、日本洋菓子協会連合会、日本洋菓子工業協同組合、協同組合全日本洋菓子工業会、日本チョコレート工業協同組合、日本チョコレート・ココア協会、日本チューインガム協会、全国飴菓子工業協同組合、日本スナック・シリアルフーズ協会、全国油菓工業協同組合、全国和菓子協会、全国半生菓子協会、全国せんべい協会、全国銘産菓子工業協同組合、全日本菓子輸出促進協議会、全国菓子卸商業組合連合会、日本菓子BB協会、全国ビスケット協会、全国ビスケット工業協同組合、食生活研究会、日本パン技術研究所、エリザベス・アーノルド富士財団、飯島藤十郎記念食品科学振興財団、日本パン工業会、全日本パン協同組合連合会、全国パン粉工業協同組合連合会、全日本丸十パン商工業協同組合、日本イースト工業会、日本プレミックス協会、日本フラワーペースト工業会、全国小麦粉卸商組合連合会、日本即席食品工業協会、日本パスタ協会、全国乾麺協同組合連合会、全国製麺協同組合連合会、日本冷凍めん協会、全国製麩工業会、全国小麦粉分離加工協会、日本コーングリッツ協会、山崎香辛料振興財団、浦上食品・食文化振興財団、味の素食の文化センター、日本ソース工業会、全日本カレー工業協同組合、日本からし協同組合、全国食酢協会中央会、全国マヨネーズ・ドレッシング類協会、日本うま味調味料協会、全日本スパイス協会、全国ふりかけ協会、全国みりん風調味料協議会、日本加工わさび協会、風味調味料協議会、日本アミノ酸液工業会、日本エキス調味料協会、日本冷凍食品協会、日本スープ協会、日本即席スープ協会、日本缶詰びん詰レトルト食品協会、全日本コーヒー協会、全日本コーヒー商工組合連合会、日本グリーンコーヒー協会、日本珈琲輸入協会、全国清涼飲料連合会、全国清涼飲料協同組合連合会、全国清涼飲料工業組合連合会、全国シャンメリー協同組合、日本ミネラルウォーター協会、日本コーヒー飲料協会、コカ・コーラ協会、日本カラメル工業会、甘味食品試験センター、全国病院用食材卸売業協同組合、新食品会、健康と食品懇話会、日本介護食品協議会、日本ベビーフード協議会、日本凍結乾燥食品工業会、食品安全マネジメント協会、日本フードサービス協会、食の安心・安全財団、日本弁当サービス協会、(一社)日本麺類業団体連合会、(一社)日本惣菜協会、(公社)日本べんとう振興協会、(公社)日本給食サービス協会、事業協同組合全国焼肉協会、(一社)日本回転寿司協会、日本デリカフーズ協同組合、日本フレッシュフーズ協同組合、協同組合フレッシュフーズサプライ、エムエスデリカチーム協同組合、ピザ協議会

 〈不使用の表明〉本紙の調べでは、米穀関連商品企業のうち以下の社が「当社では小林製薬の紅麹原料を使用していない」との声明を発表している。
 △3月27日まで=㈱ファンケル、越後製菓㈱、幸南食糧㈱、亀田製菓㈱、ケンミン食品㈱
 △3月29日まで=岩塚製菓㈱、三幸製菓㈱、尾西食品㈱、㈱ニップン、日清食品グループ(日清食品㈱、明星食品㈱、日清食品チルド㈱、日清食品冷凍㈱、日清シスコ㈱、日清ヨーク㈱、ぼんち㈱、㈱湖池屋)、はごろもフーズ㈱、㈱サタケ、マルハニチロ㈱

 〈自主回収(リコール)〉3月29日午後1時現在で、厚生労働省の専用サイトに掲載された「紅麹に関する届出された食品のリコール情報(小林製薬関連に限る)」は以下の57社。⇒小林製薬㈱、㈱ZEROPLUS、㈱紀文食品、大塚食品㈱、山高味噌㈱、福山黒酢㈱、㈱竹屋、㈱梅園、宝酒造㈱、川端宏明、㈱富澤商店、海洋食品㈱、芳香園製薬㈱、㈱ノエビア、㈱ロバ菓子司、㈱金谷ホテルベーカリー、山本漢方製薬㈱、㈲馬場商店、㈱本田味噌本店、㈱げんぶ堂、原商㈱、森川健康堂㈱、㈱伝食、㈱豆福、㈱アドバン、㈱籠谷、㈱ツバキ薬粧、㈱仙醸、㈲中屋醸造所、フジヨシ醤油㈱、富山薬品㈱、㈱ヘルシープラス、㈱敬明、㈱薫製倶楽部、㈱京都やま六、㈱ジャパンギャルズSC、㈲河野酢味噌製造工場、㈱喜多屋、㈱ワップ、㈲丸井伊藤商店、㈲郡司味噌漬物店、綿半パートナーズ㈱、㈲篠﨑ベーカリー、イオン㈱、甘強酒造㈱、間宮正光、㈱シャンソン化粧品、ワキ製薬㈱、日本生活協同組合連合会、㈲おたまや、㈱ジューヴル、社会福祉法人さくら協働福祉会ていね・さくら館、㈱ディアーズ、山本富士雄、㈱ナチュラルサイエンス、㈱尾花沢市ふるさと振興公社、㈱サンセリテ札幌