◇ 全米販総会④令和5年度事業報告・決算

 全米販総会で、中部ブロック協議会の副会長である福井県米穀㈱(福井県福井市)の野形英孝社長(全米販理事)を議長に議事に入り、まず第1号議案「令和5事業年度事業報告書、財産目録、貸借対照表、損益計算書および剰余金処分案承認に関する件」を審議、質疑なく了承を得た。
 このうち令和5年度(2023)事業報告・決算の議案説明のなかで、古庄堅治常務が強調した点は以下の通り。

△組織活動では、信用力の向上、組織ガバナンス強化に取り組み、規程類を整備。人材育成に向けて研修会「想像力・イノベーション開発研修」を開催し、17組合員25名の受講があった。
△組織戦略室では、KOME速報発行のほか、組合員企業独自では対応が難しい課題への対応として、「米穀流通2040ビジョン」の策定に取り組んだ。
△業務部では流通諸経費の高騰に伴い「令和5年産米をめぐる米穀流通業界の苦境にご理解を」を関係団体に対し発出。記者会見も実施。農林水産省の会議「米産業活性化のための意見交換」などの開催に伴い、組合員とともに発言内容などについて調整・意見交換を行った。消費拡大では「Rice Lifeプロジェクト」の取り組みを継続。
△共済事業では、契約額が前年度比▲1.7%の4,949億円。このうち、共済事業の中心である火災系共済(普通火災共済、集荷商品共済、定額火災共済、企業火災共済)の本年度末の契約件数は契約額は3,505億円(前年度比▲0.7%)。支払い額は総額7,500万円で、前年度とほぼ変わらない水準。
△贈答券事業(おこめ券)は、自治体による物価高騰対策支援事業等への採用の減少、外食産業等の株主優待廃止により、販売枚数で前年度比▲24.9%の637万枚となった。一方回収枚数は前年実績を上回り、+18.8%の744万枚。昨年の支援事業の効果もあり、おこめ券が使われる機会も確実に増えている。
△一般商品事業では、一般商品事業の総売上高は食品価格の上昇があったものの、石油製品の販売減少により、53億6千万円(前年度比▲10.7%)となった。石油製品の売上高は、販売数量の減少により37億8千万円(▲15.8%)と減少。食品の売上高は15億円(+5.3%)とわずかに増加した。
△ネット通販事業では、44組合から312アイテムの出品を得た。米の売上高5,154万円は 前年の6割強にとどまった。
△期中、東洋ライス㈱(和歌山)が加入、西三河食糧㈱(愛知)、広島県東部食糧協同組合(広島)の2組合員が脱退。食協㈱(広島)が、広島県東部食糧協同組合から出資持分を譲受。期末組合員数は141となった。
△決算では、主に、おこめ券の自治体需要に支えられ、経常利益75百万円の好調な決算となった。