◇ 紅麹事件続報、機能性表示サプリの製造管理にGMP導入を義務化へ

 小林製薬㈱(大阪府大阪市、小林章浩社長)による紅麹事件の続報。消費者庁は5月10日、新設した「機能性表示食品を巡る検討会」の第4回会合を開いた。このなかで、「製造・品質管理」の見直しにあたって、機能性表示食品のうちサプリメントに限ってGMP(適正製造規範)による品質の確保を義務づける方向で一致している。

 検討会では、5月末にとりまとめる予定の「今後の方向性」のなかで、厳格なガイドラインを設けることが決まっており、今回の論議の対象となったのは「製造・品質管理の見直し」。

 食品衛生法によって、食品製造にはHACCPの導入が義務づけられているものの、サプリメントに対してはGMPによる品質管理が「推奨」されている(平成17年《2005》通知)にとどまる。一方、機能性表示食品では、サプリメントに限ってGMPに基づく製造工程管理が「強く推奨」されている。ただし、こちらは今年3月11日付の厚生労働省通知(GMP通知)。今回議論になったのは、このサプリメントに限った機能性表示食品に対するGMPに基づく製造工程管理を、義務づける(要件化する)か否か。これは文句なくサプリメントに限って義務づけることで一致した。
 この要件化にあたって、GMP通知に規定されている内容(下図)を踏まえることでも一致したものの、このうち「原材料受入れ」段階の内容を「より詳しくすべき」との声が複数あがっている。

 またサプリメントの原材料(特に機能性関与成分)の品質管理は、HACCPの導入が義務づけられているにとどまっているものの、そこをサプリメント製造事業者にGMPの導入を義務づけることでカバーする方向で一致している。

 5月17日に予定している次回、第5回会合では「安全性の担保」をとりあげる運び。
 第4回会合に提出された第1回(4/19)、第2回(4/24)、第3回(5/8)の「議事概要」は以下の通り。

 〈健康被害状況〉厚生労働省による5月8日現在の公表によると、医療機関を受診した者は延べ1,556人人(+2人)、入院者数は延べ273人(+0人)となった。また小林製薬㈱への相談件数は延べ約11万1千件(+1千件)、厚労省のコールセンターへの相談件数は延べ4,921件(+33件)となっている。

 〈自主回収(リコール)〉5月10日正午現在で、厚生労働省の専用サイトの「紅麹に関する届出された食品のリコール情報(小林製薬関連に限る)」に追加掲載された企業はなく、累計99社は2日間にわたって変わっていない。