小林製薬㈱(大阪府大阪市、小林章浩社長)による紅麹事件の続報。消費者庁は5月8日、新設した「機能性表示食品を巡る検討会」の第3回会合を開いた。このなかで、「健康被害報告」の対象を、「機能性表示食品すべて」とし、「医師の診断結果以外の健康被害情報」も含むべきとの認識で一致した模様だ。また健康被害報告を「法令に規定すべき」との認識でも一致しており、今回の事件を契機に、かなりな厳格化の方向性が浮き彫りになった。
検討会では、5月末にとりまとめる予定の「今後の方向性」のなかで、厳格なガイドラインを設けることが決まっており、今回の論議の対象となったのは「健康被害報告の見直し」。
この健康被害報告の対象食品を、全体の5割強を占める「サプリメント形状」の食品に限定するか、加工食品や生鮮食品も含めた「機能性表示食品すべて」とするかは、「機能性表示食品すべて」を対象とすることで一致した。
健康被害報告の対象事例を、「医師の診断を受け、症状が当該食品に起因するまたはその疑いがあると診断されたもの」に限るか、医師の診断がないものも含め「全ての健康被害」とするかは、まだ議論の余地を残しているものの、概ね「医師の診断結果に限らず、幅広く情報を集めるべき」との方向性で一致した。
報告期限は、「食品衛生法を参考にすべき」との認識で一致した。食品衛生法では、「遅滞なく届出を行う」ことを義務化した上で、運用上、重篤症例は概ね15日以内、重篤以外の症例は概ね30日以内を、届出期間の目安としている。ちなみにアメリカのサプリメント制度などでは、重篤症例の場合「15日以内の報告」を(目安ではなく)義務づけている。
現在はガイドラインに規定されているにすぎない健康被害報告を、法令に規定すべきか否かは、「規定すべき」で一致した。
5月10日に予定している次回、第4回会合では「GMP(原材料・製造管理基準)、品質管理の見直し」をとりあげる運び。
第3回会合に提出された第1回(4/19)~第2回(4/24)の「議事概要」は以下の通り。
〈健康被害状況〉厚生労働省による5月7日現在の公表によると、医療機関を受診した者は延べ1,554人(+26人)、入院者数は延べ273人(+7人)となった。また小林製薬㈱への相談件数は延べ約11万件(+7千件)、厚労省のコールセンターへの相談件数は延べ4,888件(+172件)となっている。
〈自主回収(リコール)〉5月8日午後7時30分現在で、厚生労働省の専用サイトの「紅麹に関する届出された食品のリコール情報(小林製薬関連に限る)」に追加掲載されたのは、以下の1社。これで累計99社に達した。⇒明治製薬㈱