◇ 紅麹事件続報、対象が小林製薬3商品に絞られるも自主回収依然拡大中

 小林製薬㈱(大阪府大阪市、小林章浩社長)による紅麹事件の続報。厚生労働省は4月5日、小林製薬の紅麹原料を用いた他の製品に対して、回収命令の対象にあたらないと「現時点で判断した」との見解を明らかにした。計225社に求めていた自主点検の結果を受けたもの。これで対象が、最初に回収命令を下した小林製薬の3商品に絞られたことになる。しかし、その後も入院患者数は増え続けており、自主回収(リコール)の拡大も止まっていない。なお小林製薬は当初予定を2日前倒しし、4月6日からインターネットを通じた返品申込受付を開始している。

 〈厚生労働省〉厚生労働省は4月5日、「いずれの企業からも該当する結果は得られなかった」との225社に求めた自主点検の結果を明らかにした。自主点検は、「小林製薬の3製品に使用された紅麹と同じ小林製薬社製の原材料を用いて製造され、かつ、上記と同等量以上の紅麹を1日あたりに摂取する製品」と、「過去3年間で医師からの当該製品による健康被害が1件以上報告された製品」の有無を報告するよう求めていた。対象は、①小林製薬が直接、紅麹原料を卸している企業52社と、②52社から小林製薬の紅麹原料を入手している企業173社の、計225社。自主点検の結果から厚労省は、「現時点において、回収命令の対象となった3製品と同じ原材料を使用している製品については、この3製品を除いて、食品衛生法第6条第2号(製造販売の禁止)に該当しないと判断している」との見解を明らかにしている。

 〈健康被害状況〉厚生労働省による4月4日現在の公表によると、医療機関を受診した者は延べ1,058人(+62人)、入院者数は延べ188人(+8人)となった。また小林製薬㈱への相談件数は延べ約4万5千件(+5千件)、厚労省のコールセンターへの相談件数は延べ2,979件(+158件)となっている。

 〈自主回収(リコール)〉4月8日正午現在で、厚生労働省の専用サイトの「紅麹に関する届出された食品のリコール情報(小林製薬関連に限る)」に追加掲載されたのは、以下の2社。これで累計88社に達した。⇒㈱くらしき塩屋、社会福祉法人京都育成の会