◇ 東大ら「生分解性プラスチックが深海でも分解されることを実証」

 東京大学ら研究チームは1月26日、「生分解性プラスチックが深海でも分解されることを実証した」と発表した。生分解性プラスチックは、農業分野だと野菜畑や稲の苗床にマルチ(被覆資材)として使われることが多い。もともとはプラスチック製が主流だったが、生分解性プラスチック製だと畑や苗床に鋤き込むことで土壌微生物に分解させることが出来るため、環境問題への関心の高まりとともに急速に普及していた。しかし生分解性プラスチックといえど、河川や海洋に投棄した場合、最終的に行き着く先である深海でも、果たして土壌中と同じように分解されるのか――ここのところを「分解される」と実証したのが、今回の研究成果。研究に参加したのは東京大学のほか、JAMSTEC(海洋研究開発機構)、群馬大学、nite(製品評価技術基盤機構)、産総研(産業技術総合研究所)、JBPA(日本バイオプラスチック協会)。
 有人潜水調査船「しんかい6500」とフリーフォール型深海探査機「江戸っ子1号」を用いて、生分解性プラスチックと汎用プラスチックを深海に3~14か月設置後、分析した。その結果、深海にあっても生分解性プラスチックを分解するのは、やはり微生物で、今回の研究によって「新たな分解微生物を深海から多数発見した」ことも思わぬ成果となった。

「しんかい6500」(左)により生分解性プラスチックを深海底に設置している様子(右)