◇ 調達価格、アメリカ産うるち中粒種16万円強、タイ産うるち長粒種9万円強が踊り場か

 アメリカ産うるち精米中粒種の調達価格(MA一般米入札における落札価格)の下落にブレーキがかかった。またタイ産うるち精米長粒種の急騰は止まったものの、高位安定化に近い踊り場状態が継続している。
 農林水産省が昨年12月28日、令和5年度(2023)第5回MA一般米入札の商社別契約結果を公表したもの。それによると、加重平均落札価格(tあたり)は以下の通り(カッコ内は落札商社名)。

〈第5回MA一般米入札〉(11月10日実施、11月21日契約分)
△アメリカ産うるち精米中粒種16万3,603円(伊藤忠商事㈱、JFCジャパン㈱)
△タイ産うるち精米長粒種9万2,271円(伊藤忠商事㈱×2、兼松㈱)
△タイ産もち精米長粒種11万6,427円(伊藤忠商事㈱×2)

 アメリカ産うるち精米中粒種は、旱魃を背景に令和3年(2021)初頭から急騰していた。ピークは一昨年10月14日で、tあたり26万8,447円をつけていたものの、昨年に入って急落。今回の下落にブレーキがかかった状態が続くとすれば、急騰が始まる前、令和2年(2020)以前のtあたり10万円を下回る水準には戻りそうにない。それでも今回のtあたり16万3,603円は、単純計算すれば60㎏9,816円、㎏163円に相当する。国産の高騰を尻目に、加工原材料業界を中心として「加州産回帰」の流れに至るには十分な水準と言える。
 一方、タイ産うるち精米長粒種はジリ上げの後、ここ2か月ほど急騰していたが、先月反落、今回続落したものの、下げ幅は縮小傾向にある。したがってこちらも、高騰前のtあたり5万円台には戻りそうにない。

 MA一般米入札結果は、実施の都度公表になるものの、公表になるのは回ごとの加重平均落札価格であって、落札玉の顔ぶれが毎回変わる以上、指標とはなりにくい。ただ約2か月遅れで落札商社別の落札数量・落札金額が公表になるため、ここから産地国・種類別の加重平均落札価格を求めることが出来る。