◇ 全米販・取引実態調査、不公正取引3年連続良化も大半の行為類型で悪化

 全米販(全国米穀販売事業共済協同組合、木村良理事長)はこのほど、17回目となる令和4年度(2022)「取引実態調査」結果を公表した。それによると、「販売先の不公正と思われる取引」が「存在する」との回答割合は3年連続で下落、つまり「良化」したものの、行為類型別では逆にほとんどの項目で悪化する結果に終わった。

 調査結果によると、「販売先の不公正と思われる取引」が「存在する」との回答割合は、前回調査比▲0.1ポイントの2.4%となった。平成27年度(2015)以降5年連続の悪化から令和2年度(2020)良化、これが3年連続した恰好だ。
 これを販売先の行為類型別に見ると、昨年トップだった「返品」こそ▲3.0ポイントの4.5%と良化したものの、あくまで割合の話。「購入・利用強制」3.8%(+0.8ポイント)、「協賛金等の負担の要請」2.2%(+1.1ポイント)、「支払遅延」0.3%(+0.1ポイント)、「不利益となる取引条件の設定等」2.0%(+0.6ポイント)と、軒並み悪化している。全般的な悪化の傾向は、コロナ禍前に戻ったかのような印象を与えるものではあるが、令和4年度特有の状況として、諸経費・物価の高騰が指摘できる。つまり、特に量販店などが価格転嫁を受け容れたものの、最終売価の値上げが進まず利幅が狭まったことが、全般的な悪化をもたらしたのではないか――と言えるか。
 販売先別に見ると、前年トップだった「ドラッグストア」が▲4.0ポイントの5.0%と良化したものの、代わって「中小食品スーパー」7.8%(+1.8ポイント)などが台頭してきたあたり、価格転嫁問題の影響が垣間見える。

 いわゆる「不当廉売」のうち、「取引先(継続して取引する相手方)に存在する」と回答したのは▲0.7ポイントの0.4%、「同業他社に存在する」と回答したのは▲1.4ポイントの8.3%と、ともに良化した。
 また、「仕入先の不公正と思われる取引」が「存在する」との回答割合も、▲0.8ポイントの2.3%と、3年連続で良化している。

 調査は、公正取引委員会「優越的地位の濫用に関する独占禁止法上の考え方」・「不当廉売に関する独占禁止法上の考え方」に基づく設問を設定し、組合員卸に訊いたもの。組合員143卸(前年度146卸)を対象に今年7月、調査票郵送・回収方式で実施。有効回答数は101卸(同94卸)で、回収率は70.6%(同64.4%)。全米販はこの調査結果を公取委と農水省に報告したほか、日本チェーンストア協会や日本スーパーマーケット協会などの全国団体に報告、是正を要請している。