◇ 全米販、総会後懇親会で「政局」のなか議員祝辞相次ぐ

 全米販(全国米穀販売事業共済協同組合、木村良理事長)は6月13日の総会後、懇親会を開催した。

〈祝辞〉盛山正仁衆議院議員(自民党、兵庫1区)
 現在「骨太の方針」の議論を進めています。16日には閣議決定し、令和6年度の予算要求に盛り込んでいくところです。(今国会)会期末の21日まであと1週間となり、内閣不信任案が出るかという緊迫した状況でもあります。ウクライナ問題もあり、世界中には生活が困難で食べるのもままならない方がたくさんいます。そんな中、全米販の皆さま方のおかげで、日本で大変美味しいお米を楽しめることは、本当にありがたいことです。多くの方が、日本の主食・ご飯に対して「日本のお米でなければ」、という考えだと思います。そして最近は、おいしいお店が本当に増えてきて、つき立てのお米や炊き方も含め、おいしいご飯を食べようとする方がどんどん増えていくと思います。亡くなった鳩山邦夫先生は、議員会館の中で精米して、そのお米を毎日お昼に食べていました。日本のお米は本当においしい、世界に誇れるお米だと思います。このお米・ご飯をこれからも楽しむことができるよう、私も国会で予算(事業)にしたり、生産者への対策、流通対策などの面から頑張らせていただきますので、何とぞよろしくお願いします。

〈祝辞〉勝俣孝明農林水産副大臣
 木村理事長をはじめ本日ご参集の皆さま方には、常日頃より、多様化する消費者や需要者のニーズに対応した米の安定的な供給へのご尽力に深く敬意を表する次第でございます。振り返れば、この1年は国際情勢などにより、世界の穀物価格の上昇があり、食料安全保障への関心がこれまでになく高まったと考えております。そのような中でも、米は国際情勢に左右されず、安定的に供給される作物として、国民の食を支えているものです。食料を将来にわたり安定的に供給するためには、国内で生産できるものは、できるかぎり国内で生産をしていくことが重要です。そのためにも国内で自給可能な米の消費拡大が特に重要です。農林水産省としては、米飯学校給食の推進・定着や米の機能性など、米と健康に着目した情報発信に取り組んでいるところです。さらにパックご飯や米粉によるパンの拡大、輸出の促進にも注力し、あらゆる機会を捉えて、米の消費拡大にしっかり取り組んでまいります。皆さま方も引き続き、ご協力を賜れば幸いでございます。

〈祝辞〉石破茂衆議院議員(自民党、鳥取1区)
 先日、八重洲ミッドタウンがオープンしました。そこに、複合施設「YANMAR TOKYO」があるのはご存じですよね。本当に面白いです。入ったところに「お米の性格診断」があって、私もやってみました。私の性格は「山田錦」なのだそうです。酒呑みだからか? 山田錦は、好き嫌いが激しく、好き勝手なことをやって協調性に欠けると。よく当たっている(笑)。他にもお米の歴史や食べ方が学べるのですが、何せ八重洲ミッドタウンです。八重洲口の真正面、たぶん東京で最も地価が高いところだと思います。2階には「アステリスコ」というお店があります。アスタリスク(*)をイタリア語にするとアステリスコになるそうです。米を使ったメニューが沢山ありましたが、ここで使っているのが鳥取県日南町のコシヒカリで、嬉しいところです。どうやって消費を拡大しようかと、一生懸命考えられていて、こういうやり方もあるんだと思いました。
 以前、私が防衛庁副長官をしていた30年ぐらい前のことです。米粉のうどんをどこかのJAが持ってこられ「ぜひ自衛官に食べてもらいたい」と。陸海空の幕僚長を集めて食べてもらいました。すると複雑な顔をして、海上幕僚長から「副長官、本当のことを言ってよろしいでありますか。まずいであります。こんなものは自衛官に食べさせられません」と言われました(笑)。ですが、いまは随分と美味しくなりました。米粉の消費はこの10年で8倍に増えました。しかし、製粉代は小麦の7倍~8倍高い。これについては、今日、副大臣がいらっしゃるが、一生懸命考えていかなければならないことだと思います。ウクライナ問題もあり、小麦の需給はしばらく厳しいです。その代替を米粉がどのくらいできるのか、どうやって米の消費を増やすか。去年はサンコーの「おひとりさま用超高速弁当箱炊飯器」を紹介しました。お弁当箱くらいの小さな炊飯器でして、無洗米を入れてスイッチを押すと、15分で炊き立てのご飯が食べられる。炊き立てのお米って本当に美味しいのだと実感できます。楽天で3~4千円で売っているのだろうと思います。とても売れています。米はまだまだ伸びる余地が沢山あります。全米販の皆さま方のご努力に報いるべく、私どもも精一杯のお手伝いをしてまいりたいと思います。

〈祝辞〉福田達夫衆議院議員(自民党、群馬4区)
 今、自民党の農林関係の議論で、生産に関することが95%で「売ること」を議論していません。農水省が「価格は需給バランスで決まる」と言っていますが、作ることばかり応援し、売ることを応援しないと、それでは価格は下がるわけです。ですので、加工業界や中食業界を応援し、そして食品を作る方たちを贔屓するような応援をしていこうと考えております。自民党では食品産業政策調査会を立ち上げ、地域で100億円規模の売上が作れる経営者を応援するプロジェクトを、中小企業政策調査会とともに進めています。これを農政で行う場合は、その地域の生産者がしっかり飛躍する形を作れる方を応援したいと思っています。ですので、川上にいる皆さんには知恵を絞っていただき、川上にも川下にも存在する問題点をしっかりと見つけ出していただきたい。我々はその後援をする政策パーティを作り上げています。農政の中に「資本を使って稼ぐ」感覚を、皆さんと作っていきたいと考えていますので、よろしくお願いします。

〈乾杯〉大野健司㈱ギフライス取締役相談役(全米販中部ブロック協議会副会長)
 先ほどからコロナのお話もありましたが、この3年間で消費者の生活様式や行動も随分と変わりました。また我々も、事業そのものも変わっておりますし、多大な影響を受けております。ウィズコロナとも言われますが、そのような社会、時代の変化とともに、事業の変革を続けていかなければと思っております。

〈祝辞〉古川元久衆議院議員(国民民主党、愛知2区)
 コロナ過がようやく明けて、経済が元に戻りつつあります。一方で、長年、日本経済の変わらぬ問題であったデフレが、インフレの状況になっています。デフレ下でも格差問題は言われてきましたが、インフレ下では格差問題が如実に出てきて、低所得者の人たち、子どもたちが食べるものもままならない状況です。そのような中、やはり主食である米を国民の皆さまにきちんと届けるとは、大事なことです。食料安全保障も極めて重要な議題で、食べるものを自分たちで賄えるよう、食料、農業を守っていかないといけないと思っています。飼料も、国内で賄える飼料用米を守っていくべきです。是非皆さま方にもご協力を賜りたいと思います。

〈中締め〉山﨑元裕㈱ヤマタネ社長(全米販副理事長)
 今日は、日経平均株価が3万3千円台に届きました。世の中、本当に好調かどうかは分かりませんが、各社の事情もそれぞれあると思います。米業界は課題山積でございますが、会員の皆さまの経営に資する全米販となるべく頑張ってまいりますので、ご協力ご指導のほどよろしくお願いします。