◇ 外国人材の受入れ拡大へ、在留資格制度の対象産業分野に飲食料品製造業など追加

 政府は5月10日、外国人材の受入れ拡大の具体的な仕組みを明らかにした。在留資格制度の対象産業分野に、農業、飲食料品製造業、外食業などを加えるもの。6月初中旬にも閣議決定する運び。このうち農林水産分野の枠拡大を、農林水産省が5月10日の自民党・農林合同会合に報告した。
 外国人の在留資格制度とは、平成31年(2019)4月から始まった「特定技能」制度のこと。「深刻化する人手不足への対応として、生産性の向上や国内人材の確保のための取組みを行ってもなお人材を確保することが困難な状況にある産業上の分野に限り、一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人材を受け入れる在留資格制度」で、技能水準によって「特定技能1号」と「特定技能2号」に区分されている。このうち「特定技能1号」は「相当程度の知識または経験を必要とする技能」、「特定技能2号」は「熟練した技能」と定義されており、1号のほうがハードルが低い分、在留期間など制限がある(事実上2号には在留期間の制限がない)。また1号の対象産業分野は12分野に及ぶが、2号は「建設」と「造船・舶用工業」の2分野のみ。今回この2号の対象産業分野に「農業」、「飲食料品製造業」、「外食業」などを加え、11分野まで拡大させることとした。
 特定技能制度開始から、来年4月で5年を超える。最初に1号資格を取得した人材が在留期間制限5年を迎えてしまうため、このタイミングで対象産業分野を拡大しておけば、在留資格を2号に変更することで、なお外国人材を引き留めておくことが可能になる。