◇ 福島・楢葉町に相馬屋パックご飯工場が竣工

竣工式でのテープカットセレモニー

 ㈱相馬屋(福島県いわき市、佐藤守利社長)は11月26日、福島県双葉郡楢葉町に完成した「パックご飯工場」の竣工式を開催した。農林水産省が令和2年(2020)7月に公表した「市町村を越えた広域的な高付加価値産地構想」に基づき、福島県「高付加価値産地展開支援事業」を活用して建設したもの。冒頭挨拶で佐藤社長は、「被災12市町村の地域農業の復興・再生には稲作を基幹とする営農再開の取組みが不可欠。パックご飯工場の完成は、この被災12市町村のフードバリューチェーン構築に寄与するもので、風評被害の払拭にも役立つものと確信している」と指摘。また「3年以内に海外輸出を実現することを誓う」とも。お祝いに駆けつけた全米販の木村良理事長は来賓祝辞のなかで「毎年米の消費量が減っていると指摘されるなか、パックごはんといえば、ほとんど唯一と言っていい、需要を伸ばし続ける、業界にとって言わば『希望の星』。佐藤社長の先見の明に敬意を表する」と述べた。

相馬屋・佐藤社長
全米販・木村理事長

 福島県双葉郡楢葉町大字山田岡字仲丸1-9(楢葉南工業団地内)の1万1,003.73㎡の敷地に完成、稼働を開始した「㈱相馬屋パックご飯工場」は、鉄骨造地上1階建で、延床面積3,169.00㎡。製法はいわゆる無菌包装米飯方式で、製造能力は毎時8,000食。

 計画によると、ふくしま未来農協と福島さくら農協から玄米を仕入れ、相馬屋いわき工場で精米、これを原料にパックご飯を製造する。1か月あたり必要玄米は初年度60t、将来目標は139t。パックご飯の月産目標は初年度79万2,000食、将来目標183万9,000食。販売先として、商社、量販店、ふるさと納税返礼品、道の駅、アンテナショップ、市町村の災害備蓄品などを想定している。

 また相馬屋はパックご飯工場竣工式を開催した11月26日、自社オンラインショップをオープン。パックご飯のラインナップは、「おいしいご飯炊きあがりました」と「ふくふくご飯」(ともに180g)の2種。12月25日まで以下の「竣工記念価格」で提供している。
△おいしいご飯炊きあがりました(3パック×12袋)3,499円(税込、通常価格3,888円)
△ふくふくご飯(3パック×12袋)3,888円(税込、通常価格4,276円)

花田優一さん

観戦記 司会は呑み友達
 上記の竣工式に先立つ神事で、司会進行役を務めたのはフリーアナウンサーの羽藤淳子さん。局アナ時代に佐藤社長をインタビューした縁から引き受けたのだそうな。
 竣工式ではもう一人、司会進行役が加わった。花田優一さん。次第には肩書きが「靴職人、アーティスト」と書いてある。母親が元フジテレビアナウンサーの河野景子さんと聞けばピンとくる方も多いはず。佐藤社長の靴を作った縁で引き受けたと紹介されたのだが、後になって相馬屋の社員が語って曰く、「単なる社長の呑み友達ですよ」。